松尾喜八郎商店 は、現在準備中です。

2015/05/14 22:44

「TAKETOMBO FLY HIGH!」

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それは窓のないPC教室での偶然の出会いから始まった。
服に命をかける謎の男KONDO。
何もない日々を送っていたKONDOがある日、YASUKOと出会う。
それは同時にTAKETOMBOとの出会いでもあった。

「KONDOさんの服って素敵だよね。TAKETOMBOのモデルになってよ」
「なんでなんだよ」
「知らないよ」
「そんなこと俺がやる意味あるの」
「意味なんてないよ」
「でも楽しいじゃん」
「俺、忙しいんだよ」
「嘘」
「いつもここから出て行きたいって顔してるじゃん」
「あー、もうっ。やるよ。」

こうしてTAKETOMBOと空を見上げる日々の幕が開いた。

「ねえ、この教室って窓もないのにさあ、毎日WINDOWSばっか開いてるのって
すごく逆説的だよね」
「ねえ、どっか行かない?旅に出ようよ」
KONDO「ええっ!どうしてそうなるんだよ」
「日本中を自転車で回って、サービスエリアでTAKETOMBO飛ばしてる動画取ってUPしたら面白いじゃん」

わけのわからないまま、YASUKOに連れられて旅に出る事になったKONDO。
二人の珍道中が続く。
けんかしながら次第に仲良くなっていく二人。
サービスエリアで出会う個性豊かな人々。

KONDO「大体なんでそんなにTAKETOMBOにこだわるんだよ」
「だって楽しいじゃん」
「なんかTAKETOMBOを初めて見たとき、これが日本中で飛んでると面白いなと思ったんだよね」
「世界は広いんだよ」

次第にYASUKOとKONDOの周りには人だかりができるようになる。
TAKETOMBOを売ってくれという人も。

KONDO「もういいじゃん。売ってくれっていう人もいるんだから気がすんだだろ」
「この辺で帰ろうよ」
「いやだよ。私はこれをネットで、会ったこともなくて、顔も知らない誰かに売ってみたいんだよ」
「ロマンがあるじゃない」

KONDO「それに何の意味があるの」

「意味なんてないよ。前もそんなこと言ってたよね。
人間のする事に大抵意味なんてないんだから」
「人はパンのみにて生きるにあらずだよ」
「誰の言葉だよそれ」
「知らない。マリーアントワネットか誰かじゃない」
KONDO「なんだよそれ。マリーアントワネットとTAKETOMBOがどう関係するんだよ!」
 
二人は大喧嘩をする。

その翌日、台風が近づく大雨の日、YASUKOはいなくなってしまう。
サービスエリアで知り合った、イタリア人と駆け落ちしたのだった。

1人取り残されて呆然とするKONDO。

KONDO「何なんだよ。あの女。わけわかんねーよ」

ふと、YASUKOの置手紙に気づく。
それは恋文ともとれる別れの心情をつづった手紙だった。
YASUKOにはある事情があった。
「あとはKONDOさんに託す」との一文が。
読みながら、気づかずうちに号泣するするKONDO。
それまでの思い出が走馬灯のように蘇る。

「あー、もうっ。わかったよやってやるよ!」

1人で残った道程を、TAKETOMBOを飛ばし続けるKONDO。
KONDOの周りには人が集まってくる。
以前は下を向いてばっかりだったのに、気が付けば青空を見上げる日々が続く。

そんなある日、初めてネットを通じてTAKETOMBOの注文が。
送付先を見ると、イタリアだった。

と、同時にKONDOのスマホにYASUKOからの着信が。

「頑張ってるじゃん。動画みたよ」
「KONDOさんの動画イタリアでも人気だよ。トニオが欲しいってさ」

KONDO「今ってイタリアから?」

「後ろだよ。ピザに飽きて帰ってきちゃった。」
「えっ。」 

振り返るKONDO。
あっけらかんとした表情のYASUKO。
KONNDO「ええっっっ!」
ひらひらと手を振るYASUKO      
KONDO「あーーーーーーーーっもうっっっっっっ!」